2004年3月19日金曜日

うつ病と多重債務

★参考サイト UTU-NET

上記サイトによれば、日本の人口の約5%がうつ病患者だそうだ。
なぜ、突然うつ病の話をはじめたのかというと、このサイトの掲示板に借金の相談に来る人たちの中に、「私はうつ病です」という人が結構多いからだ。
正確に統計を取ったわけではないが、実感値では、全体の5%よりもずっと多い気がする。

借金のせいでうつ病になってしまったのか、うつ病のせいで借金を抱えてしまったのかはわからないが、多重債務者とうつ病患者には、オーバラップする部分があるように思う。
私自身は今まで、自分はうつ病とはまったく無縁だと思っていた。
しかし、上記サイト内の「こころの病気セルフチェック」を、借金で一番苦しかった時の気持ちになってやってみたら、見事に「うつ病の可能性がある」という診断結果が出てしまった。

このサイトでは、「うつ病になりやすいタイプ」として、下記のようなことが挙げられている。

・まじめ、几帳面でいつも何にでも完ぺきを目指す
・他人任せにできない
・他人の評価に対して過敏に反応する
・自己否定的な考えをする
・悲観的な見方をしがちである
・二者択一的;白か黒か、100点か0点か、すべてをいっぺんに片づけようとする
・優先順位の設定ができない

これを読んでちょっと驚いてしまった。これらは、そのまま「多重債務者になりやすいタイプ」とタイトルを付け替えても通用してしまいそうな内容だったからだ。

うつ病になるきっかけは、環境の変化や人間関係など様々あるようだが、その中には「経済問題」ももちろん含まれている。多重債務の悩みがうつ病を生むきっかけのひとつであることは確かなようだ。
また、「躁」の状態と「うつ」の状態が交互に訪れる「躁うつ病」の人の場合は、「躁」の時に気が大きくなって、多額の借金をしてしまう、というケースもあるという。
以前この日記にも書いた「買い物依存症」も、心の病気の一つだが、このような依存症の人は、同時にうつ病も抱えている場合が少なくないそうだ。

確かに多重債務で悩んだり苦しんだりした経験のある人なら、物質的な生活の苦しさ以上に、精神的な圧迫感が辛かった覚えがあるのではないだろうか。中にはその重圧に耐え切れなくなって、自ら命を絶ってしまう人すらいるのが、多重債務の苦しみだ。
自覚していないだけで、実は多重債務者のほとんどがうつ病なのかもしれない。

では、少しでもうつ病の症状を和らげるためにはどうしたら良いのか。
上記サイトで紹介されている、うつ病患者のセルフケアは、

・ゆとりある生活をする
・物事に優先順位をつける
・何でも自分だけで抱え込まない
・マイペースの生活

などといったもので、これもそのまま多重債務者へのアドバイスとしても挙げられる。
私も掲示板で、このようなことをアドバイスすることも多い。
うつ病になりやすいタイプと多重債務者になりやすいタイプが似ている分、その改善のための心構えも似てくるのだろう。

しかし、似ているのはここまで、ここから先は、多重債務解決のアドバイスをしている者にとっては、とても悩ましい問題があるのだ。
上記サイトには、周囲の人たちに向けて、うつ病患者に対応する際のアドバイスも書かれている。

・励ましは禁物。「がんばって」は禁句
・考えや決断を求めてはいけない
・重要な決定を迫らず、できるだけ先延ばしにする

要するに、温かく見守りながら、ゆっくりじっくり治療に付き合いましょう、ということだ。

特に、うつ病の人に「頑張れ」という励ましが禁物だということは、よく聞く話だ。
「頑張りたくても頑張れない」のが、うつ病患者の一番の苦しみだという。
私は多重債務は「頑張りすぎた」結果の失敗だと思っているので、掲示板でもあまり「頑張って」という言葉は使わないようにしているのだが、それでも、多重債務から脱却するためには、多少の頑張りは必要なので、何と言えば良いのかわからない。
同じように、「考えや決断を求めてはいけない」とか「決定を迫ってはいけない」といったことも、債務整理のアドバイスをする者にとっては、とても厳しい要求になる。
自分で考え、決断して行動しない限り債務整理はできない。
私は「自分で決めることです」というレスは良くしているのだが、これがうつ病の人を追い詰めてしまうなら、ほとんど何もアドバイスできないのに等しい。

よく多重債務を病気に例えることがある。
しかし多重債務は「じっくり時間をかけて少しづつ治す」病気ではないし、保険が効くわけでもない。
時間をかければそれだけ利息が増えて、追い詰められて行くだけで、何も良いことはないのだ。
これだけは、うつ病の治療とは背反する。
多重債務がきっかけでうつ病になった人は、多重債務が解消されれば、きっとうつ病も楽になると思うのだが、多重債務解決のために必要な、決断と行動力を発揮したくても発揮できないのがうつ病なのだ。

どうすれば、うつ病の治療と債務整理は両立するのか、正直なところ私にはわからない。
「うつ病」だと言ってきた人には、気を使ってレスをしているつもりだが、多分至らないことが多いと思う。
借金が原因でうつ病になってしまった人は、辛くてたいへんかもしれないけれど、何とか債務整理に漕ぎ着けさえすれば、きっとうつ病も良くなる、と信じて、乗り越えて欲しいと思う。