久しぶりの更新です。
久しぶりに、どうしても書かなくちゃ!と思うような感動的な出来事がありました。
何がそんなに感動的だったのかというと、実は缶切なのです。
もう5年近くサイトをやってきて、これまで書いたことがなかったと思うのですが、私は左利きです。最近でこそ、左利き用のグッズも出てきましたし、左利きだからと言って、特別な目で見られることもほとんどありませんが、私が小さいころは、左利きは「恥ずかしいもの」「直さなくてはいけないもの」といった風潮がまだあって、左利き用のグッズなんて、まったくありませんでした。だから、右手用にできている物を、無理に左で使うのが当たり前で、今更左利き用グッズを使っても、かえって使いにくいのではないかと思って、あまり気にしていませんでした。
ところが、たまたまネットで左利きグッズのお店をみつけ、値段も安いので、試しにキッチングッズをいくつか買ってみたのです。
その中でも、最大の驚きが缶切だったのです。
缶というのは、こんなに簡単に開けられるものだったのですね!!
左手で、普通の缶切りを使う動作が、いかに不自然で無理のある動きだったのかということが、長年生きてきて、やっとわかりました。
そもそも缶切は、手前に引いて開けていくものだったのですね。普通の缶切を左手で使うと、前に押して行くように使うことしかできないのです。右利きの方も、試しに左手で缶切に挑戦してみてください。
私の小さい頃は、左利きは「矯正するもの」というのが社会の風潮でした。私が赤ちゃんの頃は、母も「右手でないと持ちにくいおもちゃ」を買ってきて、与えてみたりしたそうですが、それでも私は無理やり左手で持って遊ぶので、早々に「矯正」は諦めてしまったそうです。
ところが、幼稚園の担任の先生が、左利きの矯正にたいへんな熱情をお持ちで、母が「直さないで良い」と言っているのにも関わらず、熱心に矯正をしようとしました。
お弁当の時間になると、椅子を持ってきて私の正面に座り、お箸を右手で持たせ、食べ終わるまで毎日怖い顔で監視されました。毎日これがイヤでイヤで、今でも時々夢に出てくるほどです。
それでも家で食事をする時は、左手で食べていましたから、結局この幼稚園の先生の矯正作戦は失敗に終わり、今でもお箸は左手で持っています。
しかし、左利き矯正プロジェクトは幼稚園卒園と同時に終わったわけではありませんでした。小学校の1・2年の担任の先生も、やはり左利き矯正を目論む「敵」でした。
特に鉛筆を持つ時は、徹底的に監視されたり、手で押さえられたりされ、とうとう文字を書く手は、右手に矯正されてしまいました。
今も字を書くのは右手です。左手でも書けますが全然上手に書けません。字は右で書いても、定規で線を引く時だけ鉛筆を左手に持ち替えるなど、端から見ればかなり妙な行動をします。
こんな矯正を受けたせいかどうかわかりませんが、私は小学校を卒業する頃まで、「右・左」をとっさに言ったり示したりすることができませんでした。「そこを右に曲がるのよ」と言われても、少し考えないとどっちだかわからなかったのです。
普通の子は「お箸を持つ手・字を書く手が右」と覚えるのでしょうが、私の場合は「お箸を持つ手」は左で「字を書く手」は右だったので、右と左の区別がきちんとつけられなかったようなのです。
「鉛筆は右・お箸は左」のスタイルが重宝されたのは、編集者時代です。仕事が忙しくて、食事をしながら会議をすることが多くて、お箸を持ったままメモが取れる私は、最適な記録係でした。もちろんお弁当を食べながら、赤ペンを持って原稿チェック、ということもよくあって、この時ばかりは、矯正してくれた先生に、少しだけ感謝したものです。
そうは言っても、無理やり矯正を受けたことは、今でも夢に見るほどのトラウマになっています。他の子よりも、左と右の区別をつけられるようになるのが遅れてしまったのも、無理な矯正をされたことがひとつの要因だと思います。できることなら、今の親や先生たちには、左利きを矯正する、なんていうことは考えないで欲しいと思います。
左利きにとって、街には不便があふれています。多分左利きの人全員が感じているのは、駅の自動改札です。切符や定期券など、小さい物、薄い物こそ利き手で扱いたいわけですが、駅の自動改札の投入口は全部右側にあります。左手で右側の投入口に入れるためには、上半身を90度以上ねじらないといけないんです。
券売機や自販機のコイン投入口、ATMのカード挿入口、パチスロのコイン投入口も、全部右利き用にできています。せめて平等に機械中央につけてくれれば良いのに、といつも思いながら、体をねじって不自然な姿勢でお金を入れています。
最近は「バリアフリー」などと言われるようになって、駅も障害者の方のための設備は随分充実させてきていますが、左利きに対する配慮は全然ありません。大きい駅の自動改札の一番左のひとつだけでも、左側に投入口をつけてくれないかなぁ、と思います。
左利きは日々小さな無理をして暮らしています。それが当たり前になってしまっていたのですが、この1000円足らずの缶切のおかげで、そんな無理を当たり前だと思わなくて良いんだな、と改めて感じました。
2005年03月23日
左利き用グッズに感動!(旧blogより転載)
ニックネーム 借金女王 at 00:00
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