ティフォシの情熱と歓声で真っ赤に染まったモンツァサーキットは、まるでフェラーリの優勝が決定したかのような興奮に包まれていました。
ついに皇帝・シューマッハの引退発表か?という話題で持ち切りの中始まったこのGP。
毎年、地元モンツァではとても速いフェラーリが、今年もフリー走行、予選と速さを見せてくれました。
しかも、ライバル・アロンソくんは予選での妨害行為を取られて10番グリッドまで降格されてしまいました。
ルノーチームはレース前に怒りの会見を行ったようですし、私も予選の中継を見た限りでは、タイムアップ寸前で、ギリギリアタックに入れるかどうかという瀬戸際で必死にアウトラップを走っていたアロンソくんが、意図的に後ろを妨害するような余裕は当然なかったと思いますし、後ろでアタック中だったマッサくんより、アロンソくんが特別遅く走ったとも思えません。
この裁定に、いつもはクールなアロンソくんもさすがに頭にきたのでしょう。
それに当然、チャンピオン争いを考えれば、ノーポイントで終わるなんてあり得ません。
いつもはテレビの解説陣から「タイヤやエンジンを優しいドライバー」と評価されているアロンソくんも、今回ばかりはエンジンやタイヤのことは二の次で、猛ブッシュしたのかもしれません。
しかし、ここはタダでもエンジンに厳しいモンツァです。
必死の猛追撃で3位まで浮上したものの、最後にはエンジンが悲鳴をあげてしまいました。
ルノーのこんなトラブルを見るのは、何レースぶりでしょう。
フェラーリファンの私も、さすがにこれにはびっくりしてしまいました。
このトラブルの本当の原因は何だったのかはわかりませんが、アロンソくんの焦りと怒り、そしてサーキットに詰め掛けたティフォシたちの"呪い"のせいのように見えました。
こうしてアロンソくんは痛恨のノーポイント、そしてシューマッハは見事優勝を飾り、チャンピオンシップポイントはついに2ポイント差となりました。
シューマッハも会見で言っていましたが、カナダGPの頃までは、まさかこんな展開になるとは、フェラーリファンの私も思ってもいませんでした。
そして、会見の席で、シューマッハ自身の口から今シーズン限りでの引退が発表されました。
私がF1を見るようになって15年余りですが、そのほとんどのレースに彼はいましたし、その大半のシーズンでチャンピオンでした。
私はずっとフェラーリファンなので、ベネトン時代のシューマッハは憎らしいほどでしたが、その彼がフェラーリに来て、長年低迷を続けてきたチームを建て直し、王者の風格あふれる常勝チームに変えてくれました。
ひたすら"勝ち"にこだわる彼の姿勢は、批判されることも多かったですが、それでも彼が多くの記録を打ち立てた偉大なF1ドライバーであることは間違いないですし、好意的であっても悪意を持ってであっても、彼の名を口にせずにF1を語ることはできないほどに存在感のある人です。
フェラーリの地元モンツァで彼らしいレース運びで優勝を飾り、次のシートを譲ることになったキミと、新人で初表彰台のクビサくんを左右に従え、世界中に生中継される優勝会見の席で、自ら引退を表明する、というのは、プロスポーツ選手の引退発表の方法としては、最高のシチュエーションだったと思います。
覚悟していたとはいえ、あらためて本人の口から引退表明を聞いてみると、思っていた以上に寂しさがこみ上げてきました。
年齢もほんとんど一緒のせいでしょうか、"ひとつの時代が終わるなぁ"というノスタルジックな思いが込み上げてきました。
これからしばらくは、フェラリー・キミvsマクラーレン・アロンソという「キミアロ時代」になるのかもしれません。ふたりとも後10年くらいはやれる、若いドライバーです。
今回表彰台にあがったクビサくんと言い、去年・今年のGP2の主役だったニコやハミルトン、コバライネン、ピケJrといったさらに若い世代のドライバーもどんどん台頭してくるでしょう。
楽しみは続くので、シューマッハがいなくなるからといって、F1を見なくなることはないと思いますが、シューマッハと同世代の私としては、これから少し見方が変わってくるような気もします。
来年の今頃、私がどんな思いでF1を見ているのかは、まだわかりません。
はやいもので、今シーズンも残り3レースです。
チャンピオンシップはどうやら最終戦までもつれ込みそうな様相になってきました。
シューマッハの最後の走りを目に焼き付けつつ、最後までチャンピオンシップの行方を楽しみにしたいと思います。
NFLも開幕したので、結構観戦スケジュールがタイトなのですが、秋の夜長をスポーツ観戦でたっぷり満喫したいと思います。
2006年09月11日
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良い意味でも悪い意味でもFormula1の象徴であったと思います。でも、良い部分だけではなく、悪い部分もちらほらと見え隠れしていた部分が人間としてのミハエルをクローズ・アップしてくれたのでしょう。
時代が変わる瞬間はとても寂しいものです。ミハエルがイモラで感じていた寂しさを今さらながらまた味わうことになりました。
次世代を担っていくドライヴァーに嫌でも注目が集まりますが、こればかりは今の段階ではなんとも言えませんよね。ただ、僕は言われているほどフェルナンドが凄いドライヴァーだとは思えません。無論、才能があり速いドライヴァーという意味では疑う余地はありませんが、レーシング・ドライヴァーとして重要な能力の一つが大きく欠落しているように思えてなりません。
まァ、キング・メーカーと呼ばれるフラビオのもとを離れてマクラーレンに移籍することで彼のポテンシャルの全てが白日の下にさらけ出されるでしょう。
マクラーレンで結果が出せれば本物ですが、結果的にリタイアならばどこにでもいる速いだけのF1ドライヴァーです。例えばファン・パブロのような・・・
まァ、何が足りないのかは今までの僕とのやり取りで解っていることかも知れませんから敢えて書きませんし、来季が来ないと断言し難い部分がありますので・・・
単刀直入に言えば、ジャック・ヴィルヌーヴがウィリアムズ・ルノーで1度だけワールド・チャンピオンに輝きましたがその後は全くタイトルを獲れませんでした。僕はフェルナンドもジャックのそれと同じだと思っています。
そう言えば思い当たるフシがあるかも知れませんね。
私はモンちゃんもジャックも大好きなので、
そうバッサリ言われてしまうのはちょっと切ないです。
F1では結果が残せませんでしたが、チャンプカーで優勝しているのは事実だし、
ザナルディやダ・マッタにしても、F1では結果が出なかったから、
それで"チャンピオンになれないドライバー"
と切り捨てるのは忍びないです。
F1に合わなかったことは確かだと思いますが。
私もすべてイーブンな条件で走れば、
アロンソくんが特別強い、ということはないと思ってますが、
条件がイーブンでないのがF1なので、
マクラーレンが今度こそ壊れない車が作れて、
時々やる、首をかしげるような変な作戦や、
つまらないミスを無くせるかどうかだと思います。
キミちゃんの方も、シューの後を継いで、
うまくフェラーリ・ファミリーの一員になれるかどうか、
少し心配でもあります。
そうバッサリ言われてしまうのはちょっと切ないです。
F1では結果が残せませんでしたが、チャンプカーで優勝しているのは事実だし、
ザナルディやダ・マッタにしても、F1では結果が出なかったから、
それで"チャンピオンになれないドライバー"
と切り捨てるのは忍びないです」
僕はあくまでもミハエルのような圧倒的な存在として君臨する「チャンピオンの器」の話をしただけですので、ここで挙げたドライヴァーが駄目だと切り捨てるつもりはありませんのでご心配なく。
ただ、一般的にフェルナンドがミハエルの後継者のように言われていますが、今の段階でそれは過大評価であり、マクラーレンで結果を出してからでなければ正当性のある評価ではないということです。
解りやすく言えば、ミハエルもベネトンでチャンピオンを獲得した後、弱かったフェラーリに移籍して「フェラーリばかり勝ってつまらない」とまで言われるようなティームを作り上げました。これこそが実績であり、評価されるべき部分ですが、フェルナンドはまだ一度しかチャンピオンを獲っていないチャンピオン初心者です。
さらに厳しい言い方をすればフェルナンドがチャンピオンを獲れたのはマス・ダンパーに助けられたことと、フェラーリ&ブリヂストンの低迷によってもたらされたラッキー・ストライクであったことを完全否定することは出来ないという部分があります。
すなわち、フェルナンドもルノーでチャンピオンを獲得して、低迷するマクラーレンに移籍したのですから、ミハエルのようにマクラーレンを常勝ティームにしなければ相応の評価を受けられないのです。
そういった意味ではキミはまだそこに届いてさえいません。チャンピオンにさえなれてませんから・・ただし、僕がキミを評価しているのはハッキネンと同じように素晴らしい才能を持ちながら不遇の時代が長く、政治的な力関係に揉まれすぎた感が否めないので「全ての能力が開花しているわけではない」と思う部分があるからです。
ハッキネンもマクラーレンで勝てるマシンを手に入れてからミハエルと真っ向から勝負するチャンピオンの器となりましたから・・
詰まるところ、一度のチャンピオンでもチャンピオンはチャンピオンですが、カリスマではない。
F1を引っ張っていくミハエルの後継者たるもの単なるチャンピオンでは役不足ということです。
これからの時代に君臨するカリスマが必要です。そして、そのカリスマは多ければ多いほうが良い。
誰もそう簡単に「ポスト・ミハエル」にはなれないでしょうし、
例えアロンソくんやキミちゃんが2度や3度チャンピオンになったとしても、
それでやっとポスト・ミハエル"候補"になれるだけで、
一度"皇帝"を見てしまったファンやマスコミは、
"皇帝"以上の実績を収めた人にでないと、
なかなか"新皇帝"の称号は与えないと思います。
マイケル・ジョーダンが引退して数年経ったNBAが
今、ちょうどそんな感じです。
若くて能力の高いプレイヤーがたくさん出てきて、
個々のプレイや記録を見ればジョーダンを凌ぐ子もいますが、
それでも彼らはまだまだポスト・ジョーダン"候補"に過ぎず、
観客は誰が真の"ポスト・ジョーダン"になるのかを
値踏みしながら、楽しんでいるような感じです。
そう簡単に"ポスト・ジョーダン"が決まっては困るし、つまらないです。
F1もミハエルがいなくなって、同じような状態になるかなぁ、と思っています。
それはそれで楽しいと思います。
何もアロンソくんやキミちゃんだけに"ポスト・ミハエル"候補を絞る必要はなくて、
もっと後の世代も含めて、じっくりと"ポスト・ミハエル"が育つのを楽しみたいと思います。