さよなら「パソコン通信」、最後のサービスが19年の歴史に幕
ニフティ(古河建純代表取締役社長)は、3月31日の23時59分59秒をもって「ワープロ・パソコン通信」(パソコン通信)の全サービスを終了する。これで国内に唯一残っていたプロバイダーによるパソコン通信サービスが消えることになる。
パソコン通信とは、電話回線経由で直接ホストコンピュータに接続し、文字情報のやり取りを行うもの。同社は「NIFTY-Serve(ニフティー・サーブ)」の名称で87年4月15日にサービスを開始。86年にサービスを始めたNECの「PC-VAN(ピーシー・バン)」とともにパソコン通信の2大ホストとして多くの利用者を集め一時代を築いた。
CNET Japan 2006年3月31日
なぜこの記事を「遠距離恋愛」のカテゴリーで取り上げるのかというと、私と彼が出会った場所が「NIFTY-Serve」の中だったからです。
それから、一緒に暮らし始めるまでの丸1年間、私と彼は「NIFTY-Serve」の中でメールをやりとりし、"スクランブル"でチャットしながら、物理的な距離を埋めていました。
今から9年ほど前のことです。
当時まだ私はパソコンを持っていませんでした。私だけでなく、ほとんどの人が仕事ではパソコンを使い始めたけれど、まだ個人で自宅用に買う所までは行っていなかったと思います。
私も、仕事の書類はまだワープロ専用機で作っていました。そのワープロに14.4Kbpsのモデムが内蔵されていて、ワープロから接続をしていたのです。もちろんやり取りできるのは文字データだけで、彼からの500文字程のメールを受信するだけでも数分かかっていた記憶があります。
接続料金も通信料金ももちろん従量制で、大変な金額を払っていました。回線も不安定で、彼との"スクランブル"中にも、通信がブチブチ切れたり、メールが3日もかかって届いたり、イライラ、ドキドキの連続でしたが、今となっては懐かしい思い出です。
少しもリアルタイムではない、劣悪な通信環境だったわけですが、その不自由な通信環境の中、1年間の遠距離恋愛を貫いた経験のおかげで、現在再び6年間という長い遠距離恋愛生活をしていても、お互いに距離感を感じずに済んでいます。
携帯でリアルタイムにメールや写真までやり取りできてしまうなんて、最初の遠距離恋愛の時から考えると、何十倍も恵まれています。
パソ通時代は、彼の笑顔が見たいな、と思っても、
(^_^)
こんな、顔文字の笑顔しか見ることができなかったのです。
今日は「NIFTY-Serve」最後の日ということで、彼と携帯メールでしんみりと思い出を語り合いました。
お互いに、とっくに解約してしまったNIFTYのIDをしっかり覚えていました。
パソ通はインターネットと違って、閉ざされたコミュニティでした。
"フォーラム"と呼ばれる、テーマ別掲示板のような物があったのですが、当然ニフティ会員しか参加できなかったので、今で言う「掲示板荒らし」のような人が現れても、すぐに個人を特定することができました。だから、いわゆる「ネットマナー」も厳しく守る風潮がありました。それが、閉鎖性や圧迫感を生んでいたのも事実です。
しかし、インターネットという開放された世界への移行に伴って、匿名性が高まる一方で、マナー違反や詐欺行為などが横行するようになってしまいました。
そこで、最近「SNS」という登録会員制のコミニュニティがネット上で流行しています。
ミクシィなどの「SNS」は、私にはインターネットユーザーの「パソ通回帰現象」のように映ります。
「NIFTY-Serve」の終了とともに、パソコン通信はなくなってしまいますが、「SNS」のような別の形で受け継がれていくのかもしれません。
「NIFTY-Serve」さん、おつかれさまでした。
彼に引き合わせてくれて、ありがとう。