今日はモーツァルトの250回目の

お誕生日なんだそうです。
モーツァルトの音楽は、「胎教に良い」とか「リラクゼーション効果がある」とか「ボケ防止になる」とか、色々言われていて人気があります。
モーツァルトを聞かせて育てた牛や豚の精肉とか、モーツァルトを聞いて発酵した日本酒まであります。
私は、クラシック音楽は結構好きでよく聞いています。
大きめのCDショップに行くと、クラッシックのコーナーがありますが、クラシックコーナーの中には大抵モーツァルトコーナーだけは特設されています。ショップによっては、クラシックコーナーの半分はモーツァルトコーナーだったりします。
みんな、モーツァルトが好きなんだなぁ、と関心しますが、実は私はモーツァルトの何が良いのだか、さっぱりわかりません。
多分「モーツァルトにリラクゼーション効果がある」というのは、本当だと思います。というのも、私はモーツァルトを聞くと、すぐに寝てしまうからです。モーツァルトが好きな人には怒られそうですが、よく言えば「リラクゼーション効果」ですが、悪く言うと「つまんない」ということです。

私がクラシック音楽を聴くようになったきっかけは、ディズニーの“ファンタジア”という映画です。写真のマジシャン姿のミッキーは皆さんおなじみだと思いますが、これはこの"ファンタジア"に出てくるミッキーです。
"ファンタジア"は、なんと1940年に制作された映画です。何曲かのクラシック音楽にあわせてダンスやストーリーのアニメが流れるオムニバス形式の映画ですが、デジタル技術なんてない昔の映画にもかかわらず、音と映像がピッタリ合っていて、びっくりします。
曲から自由にイメージを膨らませてアニメを作ったそうで、曲によってイメージ映像的なものもあれば、具体的なストーリーを持っている作品もあります。
私が最初に"ファンタジア"を見たのは、20歳の時でした。
それまでは、やはりクラシック音楽にはまったく興味も関心もなかったのですが、この映画を見て、クラシック音楽の持つ魅力を初めて感じることができました。

"ファンタジア"の中で演奏される曲の中でも、私が一番好きなのが、ストランビンスキーの「春の祭典」です。
この曲は、古代の原始的な宗教儀式をイメージして書かれたバレエ音楽なのですが、"ファンタジア"では、宇宙のチリが集まって地球が誕生し、生物が生まれ、やがて恐竜が生まれ、その恐竜が天候不順で滅亡していくまでの物語になっています。
(東京ディズニーランドの"ウエスタンリバー鉄道"に乗ると、トンネルの中で恐竜の戦いが見られますが、あれは"ファンタジア"の中のシーンを再現したものです。かなり良くできています)
クラシック音楽は、歌詞がないことによって、聞き手にイメージを押し付けません。
曲にある程度の長さがあることによって、聞き手がそれぞれイメージを膨らませ、ストーリーを思い描くことができます。
同じ曲でも、聞き手の気分や体調でイメージが変わることもあります。
また、演奏者(指揮者)によっても、同じ曲なのにまったく違う曲のようにもなります。
クラシックファンは、好きな曲は、異なる演奏者で何枚もCDを持っていることも珍しくありませんが、私もこの「春の祭典」は違う指揮者でCDを5枚持っています。
「春の祭典」は、クラシック音楽の中では、「現代音楽」に位置づけられるかなり斬新な曲です。不協和音が響き、インパクトはかなり強いです。すごすぎて、初演の時は観客から大ブーイングを浴びたそうです。
私のクラシック音楽との出会いが、この「春の祭典」だったことも、今「モーツァルトはつまんない」と思ってしまう理由のひとつかもしれません。
私はモーツァルトからは、余り想像力がかきたてられません。
いくら聞いても、宮廷の舞踏会のようなイメージしか沸いてきません。
ディズニー映画の製作者も、私と同じ思考だったのかどうかはわかりませんが、この"ファンタジア" でも、その続編として2000年に制作された"
ファンタジア 2000"でも、モーツァルトの曲は採用されていません。
だからと言って、「春の祭典」のような、ちょっと異端なクラシック音楽ばかりが好きというわけではありません。

一番好きなのはブラームスです。中でもこの「ヴァイオリン協奏曲」は一番のお気に入りです。ブラームスはとてもベートーベンを尊敬していたそうで、『ベートベンのようになるまで交響曲は書かない!』と決め、かなり晩年になるまで交響曲を書きませんでした。このため、ベートーベンでも9曲残している交響曲を、ブラームスは4曲しか残していません。
でも、4曲とも名曲です。
特に第1番は『いよいよ、オレも交響曲を書くぞー

』という気合がビンビンと伝わってくる、最高の導入部です。

リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」もよく聞く曲のひとつです。
「千夜一夜物語」がモチーフになって書かれた曲だそうですが、少し前、NHKで同じタイトルのドラマをやっているのを見つけて、タイトルだけで見てしまったことがあります。

「千夜一夜物語」との関係はなく、敗戦間近の日本軍のある計画の犠牲になった民間客船の物語でした。コルサコフの「シェエラザード」が効果的に使われているドラマでした。
このドラマはフィクションで、浅田次郎さんの小説をドラマ化したものだそうです。

私は、「シェエラザード」を聞いても、日本軍も沈没船も豪華客船も思い浮かびませんでしたが、浅田さんには、この曲から沈没する客船のイメージが沸いてきたのかもしれません。数あるクラシックの名曲の中から、あえてこの曲を選び、小説のタイトルにまで使っているのですから、きっと印象的なイメージだったのでしょう。
ある物語や風景などから沸いたイメージが、作曲家の手によって素敵な音楽になり、その音楽から、別の人がまったく別のイメージを抱き、それを小説や映画にして行きます。
聞き手の想像力を、大きく膨らませてくれるクラシック音楽が私は好きです。